Sin
中に入るとそこはすべて黒で統一されたかっこいい感じのカフェだった。
「いらっしゃいませ~」
店員さんはみんな一般的にみるとかっこいい人なんだと思う。
でも、あたしの頭の中は真さんでいっぱいだもん。
「何名様ですかぁ?」
‘2人です’と答えた月はもうさっきのことなんて気にしてないみたいだった。
接客してくれたのはほかの男の子とは全然違うオーラを持っていて目が痛かった…
「あたし、ちょっとトイレ行ってくる」
月はそう言って席を立った。
2人掛けのテーブルに座っていたあたしは急に1人になってちょっと焦った。
「おーい、廉。休憩入っていいよ」
あたしはその人の声を聞いた時心臓が止まってしまうかと思った。
「真さん…」
あたしは立ち上がって声のする方に入っていた。
「あれ?お客さま?こちらはスタッフルームになっておりますが…」
そこにいた人は最初に接客してくれた男の子だった。