♂性別転換♀

自暴自棄に苛まれる。


もう嫌だ。本当に嫌だ。


なんで俺がこんな目に会わなくちゃいけないんだ。


こんな理不尽があってたまるか。


「ごめんね、お姉ちゃん……」


突如、頭上から声が降る。


乱暴に袖で涙を拭い、顔を上げた。


「……大翔」


「まさか、こんなにショックを受けるなんて思ってなくて……本当にごめんなさい」


頭を下げる。


なぜだろう。俺を不幸のどん底に突き落とした張本人なのに、不思議と怒りが沸いてこない。


嗚呼、俺はもう何もかも諦めてしまったのかも知れない。
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