◆紫色の恋空**先生の切ない恋**◆
体育教官室のドアを開けると、予想以上に熱気がこもっていた。
もわぁっとした空気が肌にまとわりついて気持ちが悪い。
急いで、窓を開けると…いい風が部屋に入ってきた。
あの沖田とレモンウォーターを分けて飲んだ日のことを少し思い出す。
「沢っち~?」
「あ、あぁ、悪ぃ。」
「暑さで頭ボケたんじゃない?」
「アホ。暑さは俺の味方だ。」
「暑苦しッ!」
「うっさい。」
ソファーにのびる角を見やってから、部屋の端にある冷蔵庫をあけた。
取り出したのは、
「これ飲むか?」
「あ、レモンウォーターだ。いる!」
俺の好きなレモンウォーター。
沖田も好きなレモンウォーター…。