お兄ちゃんは悪魔サマ
 


とりあえずこれ以上学校に居ても埒があかないと判断した俺たちは、一度イグルスさんのマンションへと戻った。




「……陵さん……。こうなったらハンター側から探ってみます」

「ハンター側……?」

「ハンターに捕まった悪魔がどうなるのか……。それが解れば、悪魔の存在理由に繋がる何かが解る気がするんです」



悪魔とハンターがいつから存在しているかは解らない……

でも悪魔が生まれたのにも、ハンターが生まれたのにも必ず理由はあるはず。



片方を突き詰めていけば、きっと……




「そうだ。陵さん、尚哉は唯に協力すると言いました」

「協力……か。……お前も唯に協力するって言ってくれないか?」

「え……?陵さん、何を言ってるんですか!?」




一瞬、耳を疑う言葉に思わず陵さんを睨み付ける。




「あ〜待て待て。勘違いするな。唯側につくように見せかけて、唯と尚哉の動向を探って欲しいんだ。情報は多ければ多いほどいい」

「ああ……なるほど」





俺にとっても、実際にハンターとして動いている尚哉がいたほうが情報を探りやすい……




「解りました。絶対、助けます」



 
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