お兄ちゃんは悪魔サマ
 


「唯、この人は……?」



突然現れた人物に、怪訝そうな顔を向ける先輩。




「何があったんですか?」

「悠長に説明してる暇はないんです。陵が危ないから急いで!!」



いつも冷静そうなイグルスさんが、切羽詰まった表情をしている。

私は悩む間もなく頷いていた。




「先輩、ごめんなさいっ!」





呆然とする先輩を1人、遊園地に残して私は走った。










「走っていたら間に合いません。飛んで行きますから、早く人目のつかない所へ!」



周りを見回して、目立たない場所を探す。
ちょうどアトラクションの建物の横に大きな木があり、急いでその陰に走り寄る。

次の瞬間には体が浮いていた。



「だ、大丈夫ですか?」



周りをちゃんと確認してはいなかった。
誰かに見られてる可能性は、否定出来ない状況だったのだ。




「1人や2人に見られても何とかなります。とにかく時間がないんです」





お兄ちゃんと空中散歩を楽しんだ時とは全く違う。
怖い程のスピードだった。
見上げたイグルスさんは、必死な顔をしている。




「一体、何があったんですか?」

「見つかってしまったんですよ……ハンターに」

「ハンター?」

「私達は人間とは異なるもの。排除しようとする輩がいるのはある意味、当然でしょう」





そう言えば、普段お兄ちゃんが何してるか知らない……


悪魔って何……?




 
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