逆境があるから生きていられた
夏本番。マイナス230万だった。高すぎる授業料だが、勉強だと思おう。人生のネタがふえた、と思った。楽観するしかなかったし、どん底からの切り替えはこれまでの人生で結構身についていたんだと思う。私はとんでもない大バカ者だ。
とりあえず東京に行った。時給高いから。交通費負担がなかなか無かったので、直接交渉した。各社往復交通費3000円もらって、一日に二、三個のバイトをやる。一日3バイトで交通費手当てだけで9000円もらえる。
8:00~14:00 バイトA  13:00~21:00 バイトB  23:00~翌5:00 バイトC
池袋、代々木、新宿、北小金・・・睡眠は電車の移動時間に。深夜のバイトのところに泊めてもらってそのまま朝を迎えた日もあった。

だが、そんなに簡単ではなかった。今度こそ大挫折らしい。疲労は精神を狂わせた。一人になると、恐怖が押し寄せるのだ。そのうち、自分を受け入れられなくなってくる。自分でなんとかしてやる。あの判断は正しかったのか、間違いだったのか。倒れるようになって、「過労」といわれた。親に手紙をかく時間が無くなった。彼氏と会えなくなった。働きまくっている私に、友達はがめついね。というようになった。心身ともに余裕がなくなってきた。
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