影を往く者、闇に逝く者-戦国隠密伝-
最終幕

甲斐

四方八方。

甲賀隠密によって包囲される。

こちらは百合との二人のみ。

だが手元にはひっ捕らえた甲賀の隠密がいる。

こいつが優位に立てる材料と言えばそうだった。

隠密同士の戦いに卑怯も汚いもない。

甲賀隠密の腕をねじり上げ、上体を起こさせる。

彼を盾にしたのだ。

これで迂闊には攻め込む事は出来ない筈。

そう考えた直後。

「!?」

何とその隠密は自ら舌を噛んだ!

口腔よりあふれ出る血液。

痙攣する体。

相当根元から舌を噛み切ったらしい。

絶命するのに大した時間は要さなかった。

< 161 / 192 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop