影を往く者、闇に逝く者-戦国隠密伝-
盾にされる事で仲間が思うように戦えない事、このまま連行されて拷問にかけられ、甲賀の情報を漏洩させてしまう事。

その二つを恐れた隠密の捨て身の行動。

これにより俺達の優位はなくなってしまった。

…考えてみれば驚く事はない。

捕虜にされるくらいならば自害を。

隠密ならばどの流派だろうと当然の発想だ。

「……」

得物を構え、お互いの背中を守るように百合と立つ。

そんな我らに襲い掛かってくる甲賀!

最初の一人が八方手裏剣を打つ!

それを忍者刀で弾く俺。

その体勢の崩れを狙い、二人の隠密がそれぞれの得物で斬りかかってくる!

しかしこれを、百合が苦無で素早く斬りつける!

喉を掻き切り、脇腹を引き裂く。

どちらも一撃で致命傷だった。

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