影を往く者、闇に逝く者-戦国隠密伝-
焙烙玉の爆発と炎。

それに怯んだのか、腕を封じていた鎖が緩む。

この機に乗じぬ理由はなかった。

焙烙玉の爆発の瞬間に目を閉じ、視覚だけは失わずに済んだ俺と百合。

素早く鎖をほどき、身動きの取れぬ甲賀隠密達を撫で斬りにする!

何人いようとまともに戦えねば只の木偶。

最早俺と百合の敵ではなかった。

…こうして伊賀忍軍と甲賀忍軍、その初戦が終わる。

結果は伊賀が見事に甲賀の潜入を阻止した形。

まずは満足いく結果となったのだった。




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