遊女と経営者の恋愛事情

暫く沈黙が続くと
龍也さんはそっと私の体を離すと
微笑みじっと見下ろした。


「…先に言われたな」


フッと鼻で笑うと優しく温かい笑顔をして
私の頬へと手を添えて微笑む。
その笑顔はとても私の胸を打ち
龍也さんから視線を反らす事が出来ずにいた。


「…先に……いわれた…?」


それって……龍也さんも…。
言おうとしてたって…事…?


「…お前が屋敷を出て行ってから後悔した。縛ってでも傍においておくべきだったってな………俺は…お前の事が……――」


二人だけの時間が流れていたのを
壊す様に部屋へと勢いよく入って来たのは
裏経営者の……一樹さんだった…。


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