遊女と経営者の恋愛事情

「…酷い人ですね」


「今更気付いたのか」


フッと鼻で笑う男。
その憎たらしい口とは裏腹に
整った顔立ちや低くハスキーな声、スーツで隠れていてもわかる程の身体付きが妙にフェロモンを放っている。


「……ねぇ…私の苦手な奉仕…克服させてくれませんか?」


煙草に火を付けて大きな窓から外を眺める男にそっと近付いた。


「は?俺とやりてーのか?」


男は振り返ると目を細めて私を見下ろす。


あんな酷い言い方されて、黙っている訳には行かないよ。


あなたを誘惑して興奮させてやるんだからっ。


商売道具なんて…もう二度と言わせないよ…?


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