えくすぷれすのすたるじあ
始まりはいつも酒
素焼きレンガの家が立ち並ぶとある街。

そう、決して裕福で豪勢な街ではないのである。

とはいっても、豪勢でないのは街並みの見た目だけ。

街の人々は豪快なつわものが多かったりする。



そんな街の中心から外れたところに、酒場があった。

酒場というとただ酒を売っているところと思うかもしれない。
ここで言う酒場とは、一種の社交場を意味する。

荒くれどもが酒を飲みながら語り合い、殴り合い、友情を深める。

語り合う内容もさまざま。
古今東西さまざまな国の話やら、
おいしい仕事の話やら、
珍しい特産品の話やら。

それらを仕入れるために
さまざまな承認も立ち寄り、
彼らがまたさまざまな話題を持ち込む。

それが、この街の酒場なのだ。

女主人が取り仕切るこの酒場が開くのは夜。
そして、闇の帳が下りるころになると、この街は大いににぎわうのだった。


そうそう、肝心なことを忘れていた。

この街の荒くれどもの商売は、ほとんどが冒険者。

つまり、己の肉体と能力に任せて旅をする、流浪の民なのだ。

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