この想いを君に…2
9.最後の夏へ賭ける
帰りはグレンさん達と別れて祥太郎の車で帰る事にした。

光さんが助手席に乗り、あたしは後部席へ。



「悠斗、良かったね。
あの女の子だったら安心だよ」

祥太郎はエンジンをかける。

「ホンマ…」

光さんが言いかけた時。

ケータイが鳴った。

光さんはジーンズのポケットからケータイを取り出して、ため息をついた。



「…何?」

いきなりそんな風に言うのは明らかに機嫌が悪い時。

もしくは嫌な相手。

「…うん、わかってるよ。
うん…」

光さんの声のトーンが低くなった。

「…そのかわり、ちゃんと約束は守ってや」



…約束?

何となく、胸騒ぎがする。
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