最後の恋。
仕事の帰りに、変装して薬局に寄って検査薬を買って、トイレで調べた。「陽性…。マジでぇ!?」力が抜けて座り込んでしまった。仕事…どうしよう。まだやりたいのに。やっと手に入れた仕事なのに…。智也に何て言うの?色んな事が頭の中でグルグル回る。そんな時、インターフォンがなった。「誰?こんな時に。」トイレを出て玄関に行くと「俺!開けて!?」智也…? ドアを開けると少し酔った顔の智也が、上機嫌で立っていた。「どうした?顔色悪いよ?」私の顔を覗き込んできた。 部屋に入ると後ろから私を抱きしめてきた。「ごめ…。そんな気分じゃなくて…。話し有る。」抱きしめた腕の力を緩めながら「何!?話しって?」キンチョーしながら「出来た…みたい…。」声にならない位の小さい声で告げると「ん!?何て?出来たって何が?」少し真面目な顔になり聞いてきた。