【短】雨宿り
「昔の女の写真なんてさ、キレイに片付ける方がよっぽど不自然だと思わない?多分どーでもいいもんだから、どーでも良くそのまんま置き去りだったんだよ。

DVDも、男って、なんでかいろんなルートでそういうの回って来るんだよ。見る見ない別にしてさ。会社の上司とか同僚とか、友達の友達とか。

んで、断りづらい状況とかあるんだよ。そういう事情もあんた全然知らないだろ」

何よ、偉そうに。

「わかんないよ、女だもん。でもなんだかんだ言ったって、そんなの言い訳で、結局回ってきたDVDはラッキーとか思って見るんでしょ?」

「あんたの男はどうか知らないけど」

「あなたは見るんだ?」

「とりあえず目を通さないと、失礼だからね」

「誰に?」

「女優」

バコンッ。

気づかれないようにそっと手を振り上げたはずなのに、またしてもやられた。

「だから反射神経ナメんな」

楽しそうに両手を上げてる髭と、虚しくテーブルに手をついてる私。

手のひらがジンジンする。

髭男はそんな私の手のひらを取りひっくり返すと、

「あんたのフッた男の心は、多分それよりずっと強い痛みを抱えてるよ」

赤くなったそこにフッと息を吹き掛けた。

「どうだろ」
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