哀しきこと…
+第2章+R32〜タイプM

愛車

「♪♪♪」


鼻唄まじりで、WAXをかける手を止め、数歩さがって眺める愛車は、黒光りをしていた。


空は晴天。


洗車にはもってこいの天気だ。


「大悟、ピカピカじゃねーか」


大悟と呼ばれた、少しガタイの良い青年は、満足気に頬を緩ませた。


「おう♪俺の彼女だからな」


「なんだよ、紘伽はもう諦めたのか?」


友人達がからかう。


「うっせーなぁ〜」


大悟は真っ赤になって、睨みつけた。


「お〜ぉ恐っ」


それを見て、友人達は逃げるように立ち去った。



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