哀しきこと…

黒光りする、いかつい車。


『R32−タイプM』


年式で言うと、現行では、もう生産されていない車。


中古車で、これまで良いタマは、あまりないと言われ、やっと探し出したものだった。


「お前に、惚れたんだ。俺の良い相棒になってくれよ」


大悟は、目を細めて、そう愛車に呟いた。


まだ、手に入れたばかりで、若い大悟の気持ちは宙に舞っていたのだった。




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