哀しきこと…
「光一!」


爽佳は、すぐに駆け寄り光一を抱き締めた。


「おはよ。くるしいよ、オカアサン♪」


目を擦りながら、キョトンとする光一。



「ごめんね。光一。お母さんは、どうかしてたね」


その様子を微笑んで見ている紘伽は、そっと光一に向って親指を立てた。

光一は、目を細めて親指を立て返した。


遠くで、小さな泣き声が聞こえてきた。



爽佳の子育て戦争は、まだまだ続くけど、周りの温さに包まれて、乗り越えていける。



そんな瞬間だった。



=fin=



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