俺様王子と秘密の時間
……もう限界だった。
男の子で初めて友達と呼べる人だったのに、自分勝手なことを言って傷つけた。
きっともう、笑いかけてくれることはナイ……。
「なんで……」
どうしてあんなことを言ってしまったんだろう。
もう、今さら遅いね……。
湿ったポケットからケータイを取って開くと、はーちゃんからメールが届いていた。
心配する言葉から始まり雨で肝試し大会は終了し、もうみんなホテルに戻って温泉に入ってるとのことだった。
ケータイ画面に雨か涙かわからない雫が落ちていく。
『……アイツは、やめとけ』
羽鳥はそう言った。
けど付き合ってなんていない。
好きだと言われたわけでもないのに、なんでこんなに苦しいんだろう。
……もぉ、やだよ。
バシャバシャッ――。
林道の向こう側から足音が聞こえた。
次第に近づいてくる足音に怖くなったあたしは、ギュッと懐中電灯を握りしめて身体を縮めた。