俺様王子と秘密の時間
あたしは夏合宿の時のことを頭の中で思い出してみると、あの部屋に来たのは千秋と……
「もしかして佐久……んんーっ」
名前を言おうとしたあたしの口を、はーちゃんが慌て塞いだ。
またタコみたいに真っ赤になるはーちゃんは「バカ」なんて言いながらあたしの口から手を外した。
うちの学校の生徒は居ないっていうのに、はーちゃんは赤面したまま目をキョロキョロさせる。
むふふふふっ。
こんなはーちゃん見たことない。
顔を赤らめながら目をキョロキョロさせて、それはまさに恋をしている女の子。
「佐久間くんが好きなんだ?」
チラリとはーちゃんを見ると窓の外を見つめながら小さく頷いた。
「入試の時さ、あたしガチガチに緊張してて……」
はーちゃんはポツリポツリと胸の内をゆっくり話し始めた。