俺様王子と秘密の時間


胸を焦がすようなその言葉がたまらなく嬉しくて、あたしは涙をこぼすことしか出来なかった……。




――恋することに臆病になって。

色んなことから逃げ出してきた。

ほんとは、眩しすぎるくらいキラキラ輝く“恋”をしたかったの。




「椎菜」


優しくあたしを呼んでくれる。

身体をそっと離すと、千秋はあたしの頬を伝う涙を拭ってくれた。




「オレのモノになれよ」


真剣な眼差しに胸が熱くなる。

あたしは千秋の瞳を真っ直ぐに見つめて、精一杯、頷いた……。

 

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