蒼空へのシュート  ~先生への想い~

日曜日、唯と待ち合わせをして市民体育館へ向かう。


『フットサルって試合を見るのも、応援するのも、初めて。なんか緊張するぅ』


「すごく楽しいよ。かっこいい人いっぱいいるし。でも圭ちゃんが一番だけどね」


はい。はい。


唯と笑い合う。


「おーい、唯こっち。」


「おす、圭ちゃん。みんな久しぶりです」


「あっ、蒼衣ちゃんも来てくれたの。よし、今日は勝てる気がする。唯の友達の蒼衣ちゃんでーす」


『こんにちは』


圭ちゃんのフットサルのチームのメンバーたちは笑顔で迎えてくれた。


メンバーは社会人や大学生、もちろん圭ちゃんのような高校生と様々な人の集まりだ。


試合が始まり、激しい動きの中ボールが行き来する。


幾度となく歓声が上がり、シュートが決まると重なるようにみんなが倒れ込んだり、踊り喜び合う。


こんなに声を出したり、笑ったりしたのは久しぶりだ。


やっぱりスポーツっていいなって思う。


やるのも、観るのも…


「唯、蒼衣ちゃん、おつかれ」


「女神の力、強しでしょ」


「おぅ、今日の勝利は二人の応援のおかげです。どうだった、蒼衣ちゃん」


『すごーく楽しかった』


「フットサル最高でしょ」


みんなで笑いあって話していると、声がかかった。

「圭、いつものとこ集合」


「はーい。そうだ、蒼衣ちゃんも時間あったら俺らといかない。今日の祝勝会」


『行ってもいいの?うん、行く』
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