惚れたアイツにヤケドする？！

ｶｯﾌﾟﾙVSｹﾞｰﾑ

「へ？武田広貴と付き合った！？」


教室でユキナは前のめりになり大声を出した。



「そうだけど？」


「どんなテク使って誘惑したん？教えて！」


「テクって言うんじゃないんだよね…。」



ただのゲームだし。



ユキナは感心しながらﾏｽｶﾗを付ける。




「でも、凄くなぁ〜い？


あの武田広貴を落とすとか。


さすがめぐじゃん！」



「あの武田広貴って？


ヒロがどうかした？」


カタンッと音をたてて


鏡を置くユキナの目はまんまるだった。



「めぐが彼氏をあだ名で呼んでるぅ〜！？


つか、彼氏を普通に名前で呼んでるところ初めてみた！！」



そりゃそうだ。


あたしからじゃ名前覚えないよ。



≪お前、彼氏の名前覚えるの苦手みたいだから


俺のこと、ヒロって呼んで。≫



≪なんで！？ﾙｰﾙ追加なしだし！≫


≪彼女として当然のことだろう？≫




とか言われたし


おまけには


「俺と話す時は敬語ね♪」…だとよ。


「徹底的にあんたを育てるつもりじゃん。」


「育てるって何よ。」