NAO
†病院



 家に帰ったあたしはベッドに伏せた。


 やるせない気持ちだけが残る。


 こんな時に限ってうるさく鳴る携帯。


 “ブーブー”と鳴る携帯を開とそこにはーー。


 “古賀さん”と表示された文字。


 それを見て慌てて電話に出た。



 「もしもし」


 『愛ちゃん!あのね、お父さんが会社で倒れたの。今から病院に来れるかな?』



 落ち着きのある口調で、古賀さんは淡々と話す。


 古賀さんの話に、電話を落としそうになった。


 父さんが倒れたーー。


 どうして?何があったの?


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