【盲目の天使】番外編
「あのね、マーズレン。私、求婚を受けたいと思うわ。
国籍も身分も違うし、オルメ様に許してもらうのも難しいかもしれない。
けどね、牢の中に監禁されたことを思えば、この先何があっても耐えられる自信がついたの」
でも、
とルシルは付け足した。
「この先の話は、リリティス様が目を覚まして、落ち着いてからでいい?
誰よりも先に、リリティス様に報告したいから」
俺は、もちろんそうしよう、って答えて、彼女を抱きしめた。
リリティス様は、必ず助かるさ。
カルレイン様が死なせたりするもんか!
俺は、なんの根拠もなく、そう自信を持っていた。
けど、運命を操る神様の気まぐれは残酷で。
そのことに俺が気付くのは、この日からすぐ後のことだった。
<つづく>