抜けないリング~先生の薬指~

満ちる月



解説の後に解く練習問題の丸の数は一年生の頃と比べると段違いに増えた。

先生の解説は飲み込みやすいし、授業自体から私を置いていかない。
分からないと言えば答えてくれる。

一番前の席で首を傾げれば、私が分かるまで付き合ってくれる。



ノートを見るだけで胸がほんのりと暖まる。これは先生だ。先生との思い出だ。


数字の羅列は嫌い。計算は嫌い。四捨五入は面倒くさい。



でも先生が数学が好きなら、私も好きになりたいんだ。






――おいていかないで。
わたしのこえにこたえて。
ひとりにしないでよ。






< 74 / 74 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

宝石色の幻想
七星唄/著

総文字数/17,531

恋愛(その他)58ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop