おひめさま
おひめさま
 なんて言うのかな。一生懸命なのね、あなたって。普段はどうか分からないけど、少なくとも私と一緒にいる時は、そう。頑張ってる感じがするのよ。必要以上にね。あの人は普通かもしれないけど、なんか・・・ね。

 でも、それが、あなたの愛し方なのね。デートの計画もしてくれるし。料理も作ってくれるし。掃除もしてくれるし。話も途切れないし。奢ってくれるし。怒らないし。優しいし。なんて言うか、すごい理想な人。尽くしてくれるって言うのかな。よっぽど私を愛しているのね。まあ、自分で言う事じゃないけどさ。でも事実だし。奉仕してくれるし。そりゃ、私だって嬉しいわよ。そこまで私を愛してくれるなんてね。うん。悪くないの。

 でもね、時々良心が痛むのよ。私、何もしてないって。あなたに対して何もしてあげてないって。 時たまだけど。後ろめたい時があるのよね。だから一応、なんかしなきゃって思うの。でもね、何をしていいか分からないの。あなたの事は好きよ。その気持ちは真実。今はあなたにおんぶに抱っこ・・・今はそんな状態ね。確かに居心地はいいんだけど、少し頼りすぎかな。私も何かした方がいいのよね。デートの計画でも立てようかな。料理ぐらいは作ってあげようかな。あなたの部屋でも掃除してあげようかな・・・なんてね、いつも思うだけ。 結局何もしないんだけど。でも、ま、そう思うだけでもいいよね。悪いなと感じてる心がある分、酷い女じゃないって証拠だし。

 
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