【幼なじみの恋愛事情】
俺は、自分の心に整理をつけながら眠りに陥った。

夢の中は、いつもみーの姿ばかり。

いつも、みーは夢の中で俺の隣で笑っている。

こんな姿は、いつまで見られるかな。

なんとなく、うすうす感じていた。

いつかは、みーが遠くに行ってしまう気がして。

でも、思いを届けたらみーは、困惑するだろう。

あいつは、本当に俺のことを恋愛として見ていない気がする。

気がついて、目を覚ましたらもう教室には誰もいなかった。

「……部活っ」

俺は、急いでエナメルバックを持って部室まで向かった。

「おっ翔じゃん、今日は雨だから練習中止だけど」

部長の宮沢先輩がマネージャーと一緒に洗濯をしながら言ってきた。

そういや、部長とマネは付き合ってたんだっけ。

「あっ、すいません……お邪魔しました」

そう言って、そっと部室を後にした。

雨降ってるのに、気がつかなかったとかどれだけ寝てたんだろう。

少しは、起こしてくれたっていいのに。

そう心の中で、思いながら雨宿りをしていると、背の小さい女子が走りながら帰ろうとしていた。

その走り方で、誰だかわかった。

「みー!!」

俺は、後ろから大きな声を出した。

みーは、走るのをやめてこっちに歩いて向かった。

「翔……、くしゅん、一緒に帰って?」

珍しらしく、みーは俺に甘えてきた。

傘を一緒にさしながら、家まで送った。

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