気づいてよ
はっ?
「「私達、今日デートだから」」
美香と奈々の視線が同時に私に向けられた。
なっなにっ!?
私だって、今日は忙しいんだからっ
「まっ、桧奈に用事があってもどーせ駅前のカフェの限定プリン目当てぐらいでしょ?」
ぎくり。
やはり、長い付き合いだと分かってしまうのかも知れない。
恐るべし友!!
「ってことで、桧奈おねがいねっ!」
二人の笑顔に逆らえない私は…
頷いてしまった。
「よしっ。それで決まりっ」
なによなによ。
あれっ?よく考えたら、奈々は彼氏いるけど美香って昨日ふったって言ってなかったっけ?
プライドの高い美香なら、復活することは二度とない。
じゃ、もしかして?
「美香、ちょっと来て。」
チョイチョイと、席に戻ろうとする美香に手招きをした。
「なに?」
「美香、今、彼氏いないことない?」
ああとどうでもよさそうな顔をする美香。
「ねぇねぇ」
美香は、小さな声で私にある言葉をいった……