分校物語 ~夏~
「長嶋先生は代行教員だから、この学校が廃校になったら、それで教員の仕事は終わるんでしょうけど・・・でも、自分を含めて他の正教職員は、来年度もあるんだ!」 

上田は睨むようして言った。

「上田先生、長嶋先生を責めるのはやめて下さい。私が適切なことが出来なかったから悪かったんです」

永岡が悲痛の顔で上田に言った。

上田は、永岡の表情を見て冷静さを取り戻した。

「自分は、慎吾君とお母さんが仲良くやっていけたらいいと思っただけです。それに父親の存在も必要だと、お母さんは言っていましたから・・・」

清貴は、上田の目を見て真顔で話した。
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