分校物語　～夏～
「僕はあなたに言ったはずです。自分の意見などは言わず、ただ、永岡先生に付きそうだけでいいと・・・」

「長嶋先生は、私が困っていたところを助けてくれたんです・・・」

永岡が二人の中に入ってきた。

「生徒の家庭の問題まで関わる必要はないんです。永岡先生は、わかっているでしょう。特に今は、いろいろな問題が起こるとまずい状況になることを・・・」

「それは・・・」

永岡が困った表情をした。

「もし、その生徒に母親の結婚を聞いたとします。本当に聞くだけかもしれない。でも、生徒にとっては、母親の結婚を望んでいないのに、先生は自分のことをわかってくれていないと考えたら、生徒は先生に失望するかもしれない。いや、学校に失望するかもしれない。それで登校拒否でもなったら」

「自分はそんなつもりで・・・」

清貴は、自分の考えを述べようと思った。
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表紙・目次

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