分校物語 ~夏~
同窓会は盆休みを利用して行われた。

同窓会後。
しばらくして中学時代の恩師である松山から手紙が届いた。

内容は、代行教員の仕事の依頼だった。

清貴は代行教員の資格を持っている。
教育実習を受けた時に世話になったのが松山だった。

松山は、清貴の地元で教育長をしている。

会社を辞めたことは、地元の親しい友人も知っている。
おそらく、同窓会の席で自分の現状を知って気にかけてくれたのだと思った。

しかし、一度は断った。
清貴自身、教員という仕事が向いているとは思わなかった。
だが、正月休みで清貴が帰郷した時、松山が実家に出向いてきてくれた。
 
「君の人生の中で、何か変われるきっかけになると思います」
断ろうと思った清貴に、松山の言葉が清貴の心を動かした。

清貴自身、先行きの見えない現状を変えたいと思っていた。
だが、どのようにしたらいいのか、わからない状況だった。

分校は、来年には廃校になることを知って、思い切って一年間だけ代行教員でがんばってみようという気持ちになった。
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