5人の王子と1人の少女



『はあ。もうやだ…』


涙が込み上げてくる。
今日はよく泣くなあ


コンコン


ドアをノックすると


「「はーい」」


元気な声が聞こえた。
どうせ雪斗だろう。


『莉緒です。
失礼しまーす』



パンパパパパン
何かが弾ける音がした。
びっくりして顔を上げると5人の笑顔。
5人の手にはクラッカー。
1人は黒い笑顔だけど。


「莉緒ちゃん!
入ってくれてありがとう」


…いや。
私の意志じゃないから。
そこの黒い笑顔の生徒会長のせいだから!


とは口が裂けても言えないけど。


『はあ…
これからどうなっちゃうのおーーーーーーーー』


私の虚しい叫び声が学園中に響いた。




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