記憶の破片
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言葉とは裏腹に、私を映す総さんの瞳は寂しそうで、悲しそうで。



「総さん…」



「なんとなくわかってた。俺を通して俺じゃない誰かを見てるって」



「っ!」



「まさか、自分がソイツの生まれ変わりだとは思わなかったけどな」



総さんは自嘲気味に笑った。



「昨日、お前が『好き』だと呟いたのも聞こえてた」



…聞こえてたんだ。


自分にしか聞こえないくらいの声で言ったつもりだったのに。



「それが俺に向けてじゃないということも気づいてた」



総さんのその言葉に私は言葉に詰まった。


だって。


だって。



あの『好き』は誰に向いてるのか私にだってわからなかったのに。



「総さん、違う」



力なく首を左右に振る私の視界はぼやける。


総さんの表情を見たいのに、霞んでよく見えなかった。



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