うちのおネコ様
<1>うちのおネコ様!?編
うちには

お父さん、お母さん、お姉ちゃん、私と

3匹のネコが暮らしている


お父さんはフツーのサラリーマン。就業時間は決まっているけど残業の日だって
あるし休日出勤で土日にいない日だってある。
それなりに良い役職について、妻のために(第一)家族のために(第二)という具合に
日夜汗水たらして、がんばっているようだ。


母はそんな父を横目に、自分の好きなことを沢山持つ、いわば「自由人」。
しかし自分の遊ぶ金は自分でと、近所のスーパーでパートもしっかりやっているので
父は文句をいわない。それどころか、家事も学校のPTAも、町内清掃も
ご近所づきあいだってバッチリな母親なので、娘の私から見ても
「よくやるなあ」と思う人物である。


7つ上の姉は、大学を卒業後この春からOLになった。
地元の東京の大学で東京の企業を受けたのに、なぜかいきなり仙台へ転勤。
生まれも育ちも東京の下町っ子だったため、両親と私はもちろん、お付き合いのあった
ご近所さん達も見送りの際に立会い、涙をのんで手を振った。
後から聞いたが当の本人は「泣かなかった」という。
いや、あれは絶対泣いてた後姿だった。姉は下町の典型的な女子(おなご)である。


私は中西美子(なかにしみこ)
16歳。春から都内の高校に通うステキな女子高生である。
特技は・・・特にありません。 現代若者によくある答え方を16年間してきた。
しいていえば「ネコと会話ができます~」といって、人に笑われる。
「そりゃあ自分ちのネコならねえ」
「ずっと住んでりゃ、なんとなく言いたい事もわかるもんよ」

そうなんだけどさ。

でもさ、なんか話かけてるとわかるじゃん。

ねえ?


ハル、ルディ、ブルー・・・ 








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