うちのおネコ様

(1)中西家の朝

「美子ー!!おきなさーい。もう7時過ぎてるわよ!!」

母の大きな声で、私は布団の中でゆっくりと目をひらいた。
「んああーー。あ、、おはよー・・。ルディ」

私の布団の中には人間とネコが1匹。
赤褐色のアビシニアン、1歳になるオスのルディである。
ほっこりと布団の中で丸まっていた彼も、また美子の「起きたよーー!」の
大きな声で耳をピンとたて、首をおこし目を覚ます。

「おはよおはよおはよーーー!!!!!!」
私はさっきの寝ぼけ眼はすっとび、突然ルディのお腹まわりに顔を
うずくめた。
ああ・・・なんてかわいいのかしらうちのネコは。
完全なる親(飼い主)バカである。

自分の身体の何倍もある美子に顔をあてがわれ、しばらくじっとしてたものの、隙を見てルディはさっとベッドから飛び降りた。

「ああっ ごめんってば。待ってよー;」

あわてて美子もルディを追いかけ、パジャマのまんまリビングへ向かう。
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