うちのおネコ様

それから何週間が過ぎ、彼の名前はハルになった。
多分、春くらいの生まれだろう～という安易な考えの結果。

ハルは中西家の中で過ごしていくうち、優しく穏やかな性格へとなっていった。
しかし生まれ持った運命を背負っていたためか、どこか強い芯ももっている。


数ヵ月後、うちでネコを飼い始めた事をしった近所のネコ好きおばさんが
子猫を育てないかと話を持ち出してきた。

普通なら血統書付きのネコなので、けっこうな金額になるのだが･･･
ある２匹のネコがどうも目につくらしく、気になるので、どうせなら誰か知り合いに
ゆずりたいという。

それがアビシニアンのルディと、ロシアンブルーのブルーだった。


ルディとはアビシニアンの毛の色（赤褐色）をいう。
彼は生まれた月日がはっきりしている。
丁度今で１歳くらいか。
ルディはアビシニアン特有の見事な体つきで、美しい筋肉かつしなやかな体系で
今ではご近所さんの中でもちょっとしたアイドルだ。
お迎えの白猫のリリーちゃんはうちに遊びにきてからすっかりホの字だし、
５軒先の奥山田さんちの奥さんも「うちのユリちゃん（アメショ）のお婿さんに
したいわあ～」なんていうほど。


いやいや、まだうちの子は婿にやる気はありませんと、
断固断り続けているのは、母のエリだった。。