うちのおネコ様
水だけで顔を洗いサッパリとさせた私は、ふと洗面所にある自分の物ではないものに気がつく。昨日ルディが着ていた服だ。
元々父親の服で見覚えのある物なのだが、それを別の人間が着ていたわけで。。
「ということはお父さんのパンツも・・・」
服の下からコッソリ見える下着を見て、美子は複雑な気持ちになった。
恥ずかしいのか、何なのか。
触るのに軽く戸惑うが、これも洗濯してあげなければいけない物だったと気がつく。もしもこのまま放って置いたら、両親が帰ってきた時それこそ不審に思うだろう。
ブルーやルディやハルが何度か入れ替わりで人間になる度、こうして服を着れば洗濯物は必ず出来る。それを一体誰が洗うのか?
「私だよね・・・」
自分で言って自分で納得した。
飼い猫の世話は飼い主がするものだ。
今までだってやつらのトイレを掃除もしてきたし、ご飯をやったりお風呂にも入れてきた。着る物が増えたってそんな変わりない。
飼い主がやっている事には変わりないんだ。
そう思って、美子はそこにあったモノを洗濯カゴへ放り投げてリビングへ戻った。