Turquoise Blue Ⅲ 〜好きな人の名前〜




人の波を抜けながら 少し走る


やっと 西口に出た ―――




急に雲間から飛び込んで来た、夏の日差し


大きな百貨店とか、駅ビルがあって
その上の空は 真っ青




会社の制服っぽい姿の人達が
案内プラカード掲げて立ってて
テニスウェアみたいの着た人が
たくさん風船配ってる


それから ―――




街路樹の下の生け垣
コンクリートのとこ、椅子代わりにして


どう見てもこれから
”俺たち夏フェス行きます!”って集団が
もうなんか待ちきれないみたいに
ヘッドフォンして座ってたり


ウチワ持って、ジュース飲みながら
タオル、頭に乗せたりして
笑いながら どんどん、道を歩いてく




ヤバイ…
なんか、わくわくして来た…




「―――… あ!!」




目の前のビル 巨大モニターに
なにかが 映って ―――


誰かの声


皆いっせいに 上を見上げた


「”Chea”!!」

「”グライドモデル”!!」

「”灰谷”」






――― 撮ったところは、アリゾナ




赤い土と、削り取ったみたいな山と
黒にも近い 青い空


マキちゃんが前に
”ずっとギターのハウリング
聞こえてそうな景色”って言った場所




後ろの席には
なんか、笑いながら話してる
青山さんと 赤池さん


たくさんのピアス、腕のタトゥー
ギターの緑川さんが、外国の車 運転してて



助手席の『彼』は、サングラスかけて
風に髪を煽られながら
どこか 遠くを見てる ―――




… 夏の海で 花火しながら
『彼』に、ここの話 聞いたんだ…




――― このプロモ 私、 一番好き




「ねえねえ!
”Chea-Ruu” 好きなの?」




…… え





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