Turquoise Blue Ⅲ 〜好きな人の名前〜



「あ」


ドアのすき間から顔を出したのは
頭が金髪の、ロンT着た男の子


中からギターの音と、笑い声が聞こえる




「あ、ども〜!」


「あ…うるさくしてすみません!」


マキちゃんが、頭を下げて


「こんにちは!
ご一緒させて頂く
ストロベリーピンクです!」


ヒカルがその人に、右手を出した




「ども〜!LEVEL1TOYs'でっス!
よろしくお願いします!」




すぐに私たちの、楽屋のドアが開いて




「わからない事があったら
すぐスタッフに、聞いて下さい

リハが終わったら外出OKだけど
本番一時間前には
必ず部屋で待機していて下さい」


「はい!」


「よろしくお願いしま〜す〜!」




スタッフの人が行ってしまって
なんとなく全員で、深呼吸




「…楽器、車から取ってこよ!!」


「うん!!」




エレベーターの前で待っていると
しばらくして、すぐに扉が開いた




「――― あ」




下から上がって来たそこには
アンプの上に、エフェクターとか置いた
男の人の、集団がいて ―――




… 出すの大変だろうなって
ボタン押したままにしたり
お辞儀とか、してたんだけど




そのままガラガラと
うちらの前も、楽屋も通過して
ステージがあるほうに向かって
何も言わずに行ってしまった…






「…ね〜ね〜
あの人たちさぁ
バンド同士も〜
全然しゃべってなくない?」


「でも、挨拶してくれたよ」


「うっそぉ」


「ホントホント」


「なんか…怖いね〜」




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