クローバークロニクル
そう思いながら車庫から自分の自転車を巧に出してもらい、家を出ようとした時海斗に会った


「おっす」


「おはよ。海里、元気?」


「うん、まあ…」


海斗は私と巧の顔をさっと見た


「環、兄貴と本当に結婚するつもり?」


「はあ?何よ、突然…」


しないよ!って言うつもりだったけど、海斗が私の言葉を切った


「父さんも母さんも、いい顔してないんだ…止めた方がいいよ!」


「…え?」


いい顔してないって…


「海斗!」


「行くぞ、巧!じゃあな、環…」


「おい、海斗…」


一人取り残され、仕方がなく学校へ向かった


どういう事なんだろう?


私は認めてもらえないって事??


どういう訳か、私の頭の中にはさっきの海斗の言葉が強く残って、他の事が考えられなくなってしまった…


海里が今日休んだことと、何か関係があるんだろうか…


電車を降りて校門まで一人で歩いていると、後ろから肩を叩かれ振り返る


「おはよう、環ちゃん!あれ?海里は?」


ここに来たばかりの時、電車で声をかけてきた海里の友達だった






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