―不可能な共存―
2人で職員室に入っていくと、ここでもひやかしの目で見られた。



だが、さすがは大人。



誰も何も言わなかった。



ただ、態度や視線の方が口に出して言われるよりもずっと嫌だった。



「朝倉先生、おはようございます」



アラタが、数学担当の朝倉マキにあいさつをしている。



マキは黒髪のロングヘアーで、肌の色は透き通るように白い。



背があたしよりも5センチは高くスタイル抜群。



おまけに瞳の色がやけに明るいので、黒髪でさえなかったら日本人にはみえないだろう。



たいそうな美人。



マキに比べたら、あたしなんてダルマみたいなもんだ。



「おはようございます」



マキはニッコリ笑ってアラタにあいさつを返している。



そのままの笑顔であたしの顔を見た。



「藤嶺先生、おはようございます。お二人は本当に仲がよろしいんですね」



さらに笑顔が広がる。



女のあたしでもこの笑顔で落ちそうになる。



なんてこった。



「まぁ、俺がコイツの面倒見てやってるだけなんですけどね」



アラタが勝手な事を言っているが、いちいち否定するのも面倒なので、あたしはあえて何も言わなかった。
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