―不可能な共存―
「今日は何すればいい?」



ツバキが笑顔で言った。



ツバキのこの発言で、少し暗くなってしまった空気が元気を取り戻したようだ。



教室のあちこちから生徒達の話し声が聞こえてくるようになった。



「じゃぁ、この前作ったグループごとに集まって演奏する曲決めて」



あたしも笑顔で答える事が出来た。



仕事中にコウスケの事を考えてはいけないと思った。



気になって仕方がないけれど、あたしがここでいくら心配したからといって何が変わるわけでもない。



ならせめて、仕事を全うした方がコウスケも少しは気が楽になるだろう。
< 167 / 245 >

この作品をシェア

pagetop