僕のお姉ちゃん
俺は、唇をかみ締める。

血がにじむほどに。



「……そう」


姉貴はそれだけ言った。

俺に、近づいてくる。


何かされるかと身構えていたが、特に起こらない。


目の前に、また手が差し出された。



「戻りましょ。一緒に。……同じ仮面を連れている同士、ね?」



その言葉に、なぜだか、手をつかんでしまった。
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