僕のお姉ちゃん
小学校から友達の、桜野 春だった。


桜野は、俺にとって唯一の女友達。

基本、姉貴のせいで女子は苦手だから。


なんで桜野は大丈夫かって言うと、ボーイッシュだからだ。


「いや、お前に春とか合わないって」

「まぁ、確かになぁ……ってコラ!」


すごいサバサバしてて、フレンドリーで、一緒にいて怖くないし疲れない。


それに……良き理解者。


俺の過去を知ってるってわけじゃないけど、女子が苦手なのはうすうす分かってくれてるらしくて、あんまりベタベタしてこない。


とにかく桜野は、大事な友達だ。



「っていうか、お前今日日直じゃないの?」

「……あぁ! 忘れてたー!! 悠、一緒にダッシュして!」

「何で俺まで?」

「いーから! 早く!! GO!!」

「ったく……しかたねぇなっ」



桜野といると、姉貴のことを忘れられる。……ほんの一瞬だけ。
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