僕のお姉ちゃん
「そんな・・・・・・っ」

「仕方ないの。全て私が悪かった。今ここで、こうして、あなたたちと話してること自体、おかしいものね。ごめんなさい、もう、迷惑は、かけないわ」



姉貴は言い終わるよりも先に、立ち上がった。

伝票を慌てて取り上げ、春も立ち上がった。



「春、っ」

「逃げて、心配かけることが、迷惑なんですよ!!」





掴まれた腕を、姉貴は無言で振り払った。



「あなたたちを、傷つけたくないの」



淡々と

小さくそう言って、



桜の花びらが舞い散っていくように


姉貴は俺たちの元からすりぬけていった。
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