MARRIAGEABLE─お年頃─
店を出ると外は寒くて、ぼんやりしていた頭をはっきりとさせてくれた。

家に着くと、私はベッドに倒れこむ。

『俺んとこに来いよ』か…

まったく気付かなかったと言えば、嘘になるのかもしれない。

私はヒロキの気持ちを知っていて、それなのに知らないふりをしていた。

店からの帰り道、ヒロキの言った言葉が私の胸を締め付ける。

そろそろ終わりにするべきなのだろうか。

このままいても私は幸せになれないのかな。

他人から都合が良いと言われても、私は背を押してくれたヒロキの言葉を受け取るべきだろうか。

私は誰が好き?

誰の側にいたい?

最後の望みを賭け、私は携帯を手に取った。

耳に当てた携帯からは、無機質な機会音が聞こえるだけ。

何度鳴らしても。

どれだけ長い時間呼び出しても、彼が出てくれる事はなく……。

私の決心は固まった。



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