満月の銀色ススキ
指先に込められる力は弱かった。
ススキはタオルの隙間からチラリと望月を盗み見る。

薄暗いのと、先刻まで距離があったことで気付かなかったが、顔が青白い。

何気なく手を伸ばして頬に触れた。


「…調子、悪い?」


「え?」


触れた頬は冷たかった。

望月の深い黒の瞳と視線がぶつかる。
髪を撫でられる手が止まった。


「そんなことないよ」


「でも、顔色が悪い」


ススキが今度は顔をしかめた。
それを見た望月は苦笑を浮かべる。

かなわないと、諦めたように頬を掻いた。
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