おさななじみ
「そいつ、俺の連れだ。」
腕を掴まれそうになったとき、聞きなれた声が耳に響いた。
「海美だろ?」
千尋、千尋だ。
千尋は私たちの近くに来て、私と二人の男の人の間に入り、私の盾になってくれた。
安心する、千尋だ。
千尋の服のはしっこを強く握る。
千尋が来てくれた、守ってくれてる。
ただ、それだけで安心できる。
「その子がなんか調子悪そうだからさ、保健室に行こうかと。」
「そっか、わりぃな。俺がつれてくから練習戻ってくれ。」
千尋が彼らにそう言うと、彼らも安心したのか私に“気をつけてね”とだけ笑い戻って行った。
本当にいい人たちだったのに、私お礼もしないままだった。
だけどやっぱり怖かった。
「海美、大丈夫か?」
千尋は私の顔を見て、怖さで目にたまっていた涙を服でぬぐってくれた。
「なんかあったのか?ここは共学なんだから気をつけろよ。」
少しキツいことを言われたけど、千尋が正しいもんね。
自分が男の人苦手って理解してるのに、自分でわざわざ事件おこして千尋に迷惑かけて。
はぁ、私って最低。