緑ノ刹那
そんなこんなで始まった、リーフの尾行。


街中を慣れた様子で歩くフィリアをそっと追いかける。

横から、呆れたような声がする。


『まったく、情けない。
リーフ、やっぱり仕事をしたらどうだ?
たまっているんだろう?』


――バルドも、つきあわされていた。


『護衛だろ?
ついてきてよ』

という、リーフの職権乱用によって。



『うるさいなあ。
バルドは気にならないの?
いつも僕の仕事の手伝いとか、騎士団の指導とかをやってるのに、フィリアは絶対1日一回街に出てる。
それに加えて、今日のデート。

すごく気になるじゃないか!!』


バルドが慌ててリーフの口を塞ぎ、


『馬鹿、声が大きい!!
フィリに見つかったら、ただじゃすまないんだぞ!?
明日の鍛錬が、どれだけキツくなるか……俺はそうなったら申し訳なくて団員達と目を合わせられん』


と、ヒソヒソと小さな声で注意した。


リーフも、そうなったら自分がやる事になるだろう仕事の山を想像して、コクコク頷いた。



――そう。バレたら、タダでは済まされない。



リーフ達は先程よりも慎重に、尾行を続けた。
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